脊椎脊髄外科

脊椎脊髄外科について

脊椎脊髄外科とは

脊椎とはいわゆる背骨(せぼね)のことです。首からお尻までせぼねは続いてます。このせぼねの中には太い神経が通っており、この神経を脊髄(せきずい)といいます。

長年、首や腰に負担がかかってせぼねが変形してくると中の脊髄が痛んでしまい手足のしびれ、お尻の痛み、坐骨神経痛などが起こってしまいます。これがせぼねの病気の正体です。

悪くなってしまったせぼねを削ったり細工したりして、正常な状態に近づけ、中の脊髄を守るのが、私たち脊椎脊髄外科医の仕事です。

こんな症状でお悩みの方へ

首の痛み

  • 首の後ろの部分が痛む。または重苦しい
  • 首を後ろにそらした時や重い荷物を持った時に、痛みが生じる など

手や足に異常な感覚がある

  • 足の裏にいつも砂利を踏んでいるような感覚がある
  • 何も触れていないのに手や指がジンジンする など

手先の細かい作業が不自由になる

  • ボタン掛け、お箸の使用、字を書くことが不自由になった
  • 握力が異常に落ちた など

歩行がしにくい

  • 足を前に出しにくい
  • 速く歩けない
  • 歩行がぎこちなくなる
  • 階段を降りるのが怖くなる
  • 長く歩くと、腕・足のしびれや痛みが出てしまい休むと改善する

坐骨神経痛

お尻から太ももにかけての堪え難い痛みやしびれ

排泄障害

排尿や排便をしたいのに出ない、尿漏れ など

治療について

「せぼね」の病気といっても、軽いものから重症までピンキリです。

私の方針は、軽いもの〜中等度は、飲み薬で治療します。たまにブロック注射も行います。

手術の必要がない方に手術をすすめることは絶対に致しません

飲み薬だけで何年も症状が抑えられて元気に過ごしている方もいっぱいいます。

手術を考えなくてはいけない方は、飲み薬が効かなくなり中等度を超えて重症になりかけている方です。

完全に重症になってしまうと、神経のダメージが大きすぎて完璧な手術をしても神経が完全に回復せず、大きな後遺症が残ってしまいます。

ですので、手術のタイミングを逃さないようにすることも大事な仕事です。

飲み薬での治療

薬というのは、基本的にはよく効く薬の方が、そのぶん副作用が多くなる傾向にあります。

診療でのあくまで私の個人的な印象ですが、薬の強さ順に並べました。

下に行くほど強い薬と思ってください。

ビタミンB12(商品名:メチコバール、メコバラミン)

傷ついた神経を修復する薬です。あまり強い薬ではなく長く飲んでようやくジワジワ効いてくるお薬です。なかなか効かないのでやめてしまう人も多いのですが、長く飲むことで効果を発揮します。副作用はとても少ない印象です。

プロスタグランジン製剤(商品名:オパルモン、リマプロストアルファデクス)

足の血管が詰まってしまうことによる足の痛みや冷えなどに主に使う薬ですが、せぼねの病気でもよく使います。副作用は少ない印象ですが、体がほてる、胃が調子悪くなるといった症状をまれに経験します。これもジワジワ効いてくる薬です。

もともとはオパルモンという商品が先駆けで、そのジェネリックがリマプロストアルファデクスです。

NSAIDS(商品名:ロキソニン、ボルタレン、セレコックス、SG顆粒など)

エヌセイズと読みます。正式名称は非ステロイド系消炎鎮痛薬と言います。

最も有名なものはロキソニンです。市販もされていてほとんどの方が一度は飲んだことがあるかと思います。薬局で売っているものでは「イブ」「バファリン」「ノーシン」「セデス」などが有名です。

副作用は少ないですが、飲みすぎると胃が荒れます。胃薬と一緒に処方する先生も多いです。結構効きます。

プレガバリン(商品名:リリカ)・ ミロガバリン(商品名:タリージェ)

神経が障害されると通常ではありえない量の伝達物質が神経から放出されてしまい、神経痛をおこします。これらの放出を抑えて症状を楽にする薬です。

プレガバリンとミロガバリンはほとんど同じ薬です。

上3つの薬と比べると効果が強い薬ですが、やや副作用が多い印象です。

重篤な副作用は一度も経験ありませんが、めまい、ふらつき、眠気などが出ることがあります

デュロキセチン(商品名:サインバルタ)

もともとはうつ病に対しての薬でしたが、痛みを抑える作用も持ち合わせています。

うつ病の薬と聞いて、身構える人も多く、その点使いづらい面もあるのですが、長年の腰痛などに効果が実証されています。

この薬も、プロガバリンやミロガバリンと同程度の副作用が出る印象です。

主なものは、眠気、便秘、めまいなどでしょうか

トラマドール(商品名:トラムセット)

2種類の痛み止めの成分からできている鎮痛薬です。1つは普通の鎮痛薬が効きにくい神経痛に有効な鎮痛薬で、もう1つは昔ながらの鎮痛薬です。この2つが合体することで強力な鎮痛作用をきたします。

製薬メーカーが定めた標準量は、朝、昼、夕、寝る前と1日4回なのですが、1日4回も飲むのは患者さんにとってとても大変なので、1日2回~3回で処方することが多いです。それで十分効く印象です。

副作用は、プレガバリン、ミロガバリン、デュロキセチンと同程度もしくは若干多い印象です。主なものは、吐き気、めまい、眠気、便秘などです。

他にも筋肉を柔らかくする薬や肩こりを改善する薬などを併用することで、症状の緩和に努めております。

ブロック注射での治療

痛みがある部位の神経付近に痛み止めの薬を注射することで痛みを取る治療です。全てのせぼねの病気に有効というわけではありませんが、特定のものに対しては強い効果を発揮します。

ただし永久に効果が続くことは少なく、一旦治ってもまた再発してしまうことも多いです。運がいいと、そのまま効果がずっと続く人もいます。

そしてブロック注射と言っても、たくさん種類があるのです。
外来でぱっとできるブロックもあればレントゲンを見ながら正確に針を刺すブロックまで様々です。

当センターではほとんどのブロックが可能ですが、主に下の2つのブロックを中心に行うことが多いです。

1:神経根ブロック

神経に直接針を刺して薬を注入する方法です。ブロックの中では最も効果が高いのですが、針があたる瞬間に一瞬ですがビリっとする不快な痛みがあり、それがなかなかつらいため、気軽にどうぞというわけにはいきません。
ですので、症状がそれなりにつらい方に行なっております。

2:坐骨神経ブロック(梨状筋ブロックともいいます)

坐骨神経とは、せぼねの中の神経が何本か合わさって、お尻から足に向かう神経です。お尻から足の外側にかけての痛みを坐骨神経痛と言います。

坐骨神経痛は、せぼねが原因の場合お尻の梨状筋(りじょうきん)という筋肉が原因の場合があります。
せぼねが原因の場合は、MRIという検査を行えば、ほとんど診断がつきます。
一方、坐骨神経痛があり、せぼねのMRIを撮っても異常が指摘されなかった場合は、お尻の梨状筋が原因の可能性があります。
坐骨神経ブロックは、お尻の梨状筋が原因の坐骨神経痛に対して有効です。
神経根ブロックと比べると、患者さんには格段に楽なブロックで1分かかりません。

紹介した2つの方法以外にも、下記のようなブロック注射があります。

痛い所に直接打つブロック(局所ブロック注射)

骨盤の関節に打つブロック(仙腸関節ブロック)

手術について

全てのせぼねの手術に対して、手術用の顕微鏡を使います。

何倍にも拡大され、とても明るい視野で手術ができます。そして立体で見えるので非常に細かいところまで詳細に確認することができます。

この手術用の顕微鏡によって、格段に手術の安全性があがりました

ただ顕微鏡を使っての手術をマスターするには、一定期間のトレーニングが必要です。私は脳神経外科医で、脳卒中や脳腫瘍の手術も数多く行ってきました。そこで得た確かな技術をせぼねの手術に応用し、安全かつ確実な手術を行なっております

神経モニタリングについて

当センターでは、せぼねの手術の全例に、神経モニタリングを行なっております。神経モニタリングとは、手術中にリアルタイムで神経の電位を計測し、術中に神経の障害があると知らせてくれる装置のことです

万が一、手術中、神経の電位に変化があった場合は、すばやくその対処を行うことで神経へのダメージを最小限に抑えることができるといった利点があります。

こうした神経モニタリングを手術全例に行なっている施設は、全国的に数少ないのではないかと思われます。

当院の麻酔について

当院の全身麻酔は全て、経験豊富な麻酔科専門医である光成医師が担当し、安全な麻酔を行なっております。

代表的な病気と手術方法

病院の公式ホームページに詳細を載せています。

以下のリンクから到達できますので、ご参照ください。

また当ホームページの新着記事でも、それぞれの病気についてわかりやすく解説しているので、ご参照ください。

    記事は随時更新してまいります。

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