標準治療を受けましょう

皆様、こんにちは。脊椎外科医の遠藤です。

今回は標準治療についてお話させていただきます。

目次

標準治療を受けましょう

標準治療とは?

本来の標準治療とは、がん治療の際に使われることが多い言葉です。

標準治療とは、過去の膨大なデータや経験をもとに確立された最も生存率を伸ばす可能性が高い治療のことを言います。

当然、保険内での治療です。

これに対して最先端治療と言うものがあります。

最先端治療の方が、言葉の響き的には効果が高そうなイメージですが、まだ実験的段階のことが多く、過去の事例も十分存在しないため、効果としては不透明の部分も多くあるのが現状です。

さらに民間療法というものがありますが、これは論外です。治療が遅れて死期を早めるだけです。

まず、がんになったら迷わず標準治療を選んでください。

私は、がんの専門家ではないので、標準治療と最先端治療などについてはこれくらいにして、あとは専門家の先生のお任せします。

ここでは、標準治療という言葉の解釈を少し拡大して、がん以外の病気にも当てはめていこうかと思います。

標準の治療、つまり、その病気に対する適切な治療 ということに焦点を当てたいと思います。

皆様が病院やクリニックにかかった際、支払う金額は、本来の治療費の2割〜3割だということはご存知の方も多いと思います。

では残りの金額は誰が払ってくれているのでしょうか。

当然、国ですね。

では、なぜ国が7割〜8割も払ってくれるのでしょうか。

それは、国(厳密に言えば厚生労働省)が、日本人にとって有効と認めた治療だからです。

過去の膨大なデータを分析して、多くの専門家達が失敗を繰り返しながら、ようやくたどり着いた治療だけに、国はお金を出してくれます。

それが保険医療なのです。

では、保険医療が、標準医療なのでしょうか? 

ちがいます!

たとえ保険内の治療であっても医師によって好き勝手に治療をしてしまったら、適切な治療とは到底言えませんよね。

たとえば、ほとんどの手術も保険内の治療の1つですが、全く手術の必要がない人に手術をしてしまったら大問題です。

また、全く必要のないもしくは害のある薬を、さも効くかのように処方してくる医師がいたら大変怖いですよね。

そこで、ガイドラインなるものがあるのです。

ガイドラインとは?

ガイドラインとは?

ある病気に対して、100人の医師が好き勝手に100通りの治療を行なったら、患者さんは困ってしまいますよね。

だから、この病気であればこうするというある一定の基準が必要になってきます。

しかし、同じ病気でも、軽症〜重症まであり、その重症度によって治療法も変わってきます。

さらに病気を発症してからどの程度経過しているかなどでも、治療法が変わってきます。

たとえば

軽症であれば薬物療法が望ましく、重症であれば手術が望ましいなど。

もしくは

発症したての急性期期間は、手術をした方がいいが、すでに時間が経過している慢性期期間なら薬物治療が望ましいなど。

こうした過去の膨大なデータを、たくさんの専門家の先生達が分析して、最も患者さんにとって有益になる可能性が高い治療をまとめたのが、ガイドラインといいます。

ある程度有名な病気であれば、必ずガイドラインが存在します。

このガイドラインに沿って治療をすれば、大きく逸脱した治療にはならないはずです。

そうした治療をここでは標準治療と呼ばせていただきます。

※本来の意味の標準治療とはすこしニュアンスが違います。本来の意味の標準治療については、冒頭で少しまとめております。

もちろん、私もガイドラインに沿った標準治療を行なっております。

勝手に私の独断で、治療を進めてしまうことはしておりません。

たとえば 頚椎症のガイドラインでの、一例ですが

保存療法と手術療法の予後に差があるか?

軽度の頚椎症については、保存療法と手術療法の成績は、3〜4年の経過では有意差がみられない。

重度の症例では、手術例は良好に改善するのに対して、保存療法では悪化傾向がみられる

こういったような記載がこと細かく載っております。

少し解説しますと、保存療法とは、手術以外の治療をいいます。保存療法のメインは内服薬ですが、リハビリなども含まれます。

つまり、手術以外の治療をした場合と手術をした場合、予後(経過)に差はあるのか?と

軽度の頚椎症では、3、4年の経過では有意差がみられないとあります。つまり内服薬での治療と手術で、患者さんの経過に差がないとのこと。であれば手術をする必要はありませんよね。

では、重度の症例では、手術例では良好に改善し、保存療法(内服薬での治療)では悪化傾向がみられるとありますので、重度の症例では手術が必要になることがわかります。

もちろん、この手術を安全にできる技術を医師が持っていることが大前提ですが。。

一例ではありますが、基本的にはこのようなガイドラインに沿って、私は治療を行うようにしております。

ただ、患者さんの状況や環境によってある程度は柔軟に対応する必要はあります。

たとえば、患者さんが、働き盛りなのか御引退されたのか、40代なのか70代なのか、などでも治療方針は多少変えなければいけない時もあります。

が、それでも大きくガイドラインから逸れることはないでしょう。

聖麗メモリアル病院・脊椎センターでは、主に首と腰の手術を行なっておりますが、いずれもガイドラインに沿った治療を行なっております

おわり

遠藤への手術についてのご相談をご希望の方は、手術相談外来を予約してください。現状で、手術が必要かどうかの判断なども相談可能です。

予約専用ダイヤルにてお申込み下さい。
予約専用ダイヤル 0294-52-8529(受付時間13:30~17:00)

病院の公式ホームページにも詳細を載せております。ご参照ください。

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