皆様、こんにちは。
脳神経外科医の遠藤です。
2017年に体のあらゆるしびれを対象にした『しびれ外来』を立ち上げ、かれこれ5年以上が過ぎました。
今回は、そのしびれについて、少しお話していきたいと思います。
しびれとは?
そもそも『しびれ』とは、何なのでしょうか。
・ビリビリ、ピリピリ
・正座の後のジンジン
・さわった感覚がわからない
など、誰しも一度は感じたことはあると思います。
例外はありますが、『しびれ』とは
体のどこかの神経に障害が起こっている状態
なのです。
では、『神経』とは何なのでしょうか。
実は、脳も『神経』なのです。
そして脊髄(せきずい)も『神経』です。
かなり衝撃な絵ですが、これが全身の神経の分布となっております。
左が全身の神経の分布、右は上半身を拡大したものです。
※アップで見たい方は、スマホであれば絵をタッチすれば拡大されると思います。
なんといっても神経の一番のおおもとは、『脳』です。
脳という神経細胞の塊から『脊髄(せきずい)』という長い筒状の神経の束(たば)がお尻まで伸びてきます。
そしてこの脊髄から左右にたくさんの神経が分岐して、体のさまざまなところへ向かいます。
この脊髄から出た神経を『末梢神経(まっしょうしんけい)』と言います。
例えるなら、ダムから上流の川が出ていてそこから支流が分岐しているのをイメージしてください。
ダムが脳
上流の川が脊髄
支流が末梢神経
のイメージです。
絵のように、脳と脊髄は体に1つしかありませんが、末梢神経はたくさんあります。
『しびれ』はこれらの神経のどこかに障害があって起こります。
『しびれ』は 神経のSOS?
障害がとても強く、神経が完全に死んでしまうと、手や足を動かすことができなくなる『麻痺』という状態になってしまいます。
たとえば、脳に強い障害が起こす脳卒中では、体の左右どちらか半分が動かなくなってしまいます。
軽い脳卒中で、脳の細胞が十分生き残っていれば 手足の『しびれ』のみで済む場合もあります。
『しびれ』は、完全に神経が死んでしまう状態には至っていない状態です。
が、『神経が多かれ少なかれ痛んでいますよ』というサインにもなっています。
放っておいてもよい『しびれ』とは?
では、『しびれ』が出たら、すぐに病院を受診しなければいけないのでしょうか。
もちろんそんなことはなく、放っておいてもよい『しびれ』もあります。
★正座の後の『しびれ』
★変な寝相で寝てしまった後の『しびれ』
★肘を机などにぶつけってしまった時の『しびれ』
★運動や筋肉トレーニングの後の『しびれ』
などは、心配ありません。
すぐに(長くても数日以内に)治る『しびれ』ならまず心配ないと思ってよいでしょう。
すぐに医療機関を受診しなきゃいけない『しびれ』とは?
では、すぐに救急車を呼んででも医療機関を受診しなければいけない『しびれ』というのどんなものなのでしょうか。
ほぼこの3つなので、覚えておいてください。
★手足の麻痺を伴う『しびれ』
★どちらか体の片側のみの『しびれ』
★よだれが出たり、呂律(ろれつ)が回らない、めまい等を伴う『しびれ』
このような症状が『突然』出た場合は、脳卒中の可能性が高いですので、一刻も早く脳神経外科を受診してください。
『突然』というのがキーワードです。
しびれを来す疾患について知りたい方は、ここ⬇️でまとめていますので、ご参照ください。
おまけ
以前に、『しびれ外来』が主治医が見つかる診療所というTV番組で取り上げられ、出演いたしました。
興味があれば、ここ⬇︎からどうぞ。
クリニック開院のお知らせ
脳神経外科専門医でかつ脊椎専門医である著者は、脳から末梢神経にいたるまでの全ての神経の専門家と自負しております。
2023年2月に、東京都杉並区に高性能の最新MRI、CTを完備した、『しびれ』と『頭痛』に特化した専門クリニックを開業させていただくこととなりました。
都内近郊にお住まいの方や都内に来院可能な方は、2023年2月以降に、都内クリニックをぜひご利用ください。
2022年12月よりWeb予約開始となります。
Web予約での取り方がよくわからなかったり、ご都合のいい日で取れなかったりしましたら、2023年2月1日以降直接ご来院ください。
また2月1日以降は電話予約も可能となります。
詳しくは、以下ホームページをご参照ください。
クリニック名称 :すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック
公式ホームページ:https://suginami-nouge.com